『iDeCo』と『つみたてNISA』の違いってどう違うの?
それぞれのメリットデメリットって何?
実際、どちらが良いの?
という方、
この記事を読めば
『iDeCo』と『つみたてNISA』がどういったものか?
それぞれのメリット、デメリット
どちらを始めればいいのか
ということが分かります。
そんな僕は某地銀で14年勤務し、資産運用を得意として多くのお客様の提案をしてきました。
数年前にはFP1級を取得し、資産運用以外のお金の相談にも沢山のってきました。
自分の担当したお客様の資産は確実に増やしてきました。
今の銀行の資産運用の提案のあり方に疑問を感じていて、このようなブログを始めた経緯があります。
『iDeCo』と『つみたてNISA』の違い
『iDeCo』と『つみたてNISA』共に積み立ての投資となっています。
ではどこが違うのか?
それぞれの内容についてお話ししていきたいと思います。
iDeCo
積立金額:5,000〜68,000円/月(職業により上限額が異なる)
積立期間:満60歳から受取り可能(積立期間により受取り年齢が変更)
対象商品:投資信託、定期預金など(金融機関によって異なる)
その他:所得控除あり、運用益が非課税、受け取る際に「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象となる
『iDeCo』とは個人型確定拠出年金の事を指し自分で作る年金制度のことを言います。
※確定拠出年金には企業型もあります
加入者が毎月一定の金額を積み立て(掛金を拠出するといいます)、定期預金・保険・投資信託といった金融商品で運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取る事ができます。
積立金額金額の上限は職業によって異なります。
掛金の上限は下記の通り
職業 | 拠出上限金額 |
公務員 | 12,000円/月 |
会社員(企業年金あり) | 12,000円、20,000円/月 ※企業年金の種類によって異なる |
会社員(企業年金なし) | 23,000円/月 |
専業主婦(夫) | 23,000円/月 |
個人事業主 | 68,000円/月 ※ 国民年金基金や付加保険料と合わせて6万8000円が限度となる |
受取り開始年齢は通算加入者等期間によって異なります。
(通算加入者等期間は個人型年金および企業型年金における加入者・運用指図者の期間の合算です)
通算加入者等期間 | 受取可能年齢 |
10年以上 | 満60歳 |
8年以上10年未満 | 満61歳 |
6年以上8年未満 | 満62歳 |
4年以上6年未満 | 満63歳 |
2年以上4年未満 | 満64歳 |
1ヶ月以上2年未満 | 満65歳 |
つみたてNISA
積立金額:〜400,000円/年(積立最小金額は金融機関によって異なる)
積立期間:20年
対象商品:つみたてNISAの為に厳選されたファンド
その他:運用益が非課税
つみたてNISAとは、積立投資専用の「NISA(少額投資非課税制度)」のことを指します。
NISA口座同様、投資で得られた配当・譲渡益は非課税となります。安定的に資産を形成できるよう、長期にわたり分散、積立投資ができる制度を作ろうと、新たに誕生したのが「つみたてNISA」です。
つみたてNISAで運用できるファンドは予め銀行や証券会社で決められていて、国が認めたファンドとなっています。
メリット、デメリット
iDeCoのメリット、デメリット
メリット
積立金額すべて「所得控除」の対象で、所得税・住民税が節税
【個人事業主の場合の例】
年間積立額:68,000円×12回=816,000
課税所得:10,000,000円
〈iDeCoなし〉
所得税 10,000,000円×33%=3,300,000円
住民税 10,000,000円×10%=1,000,000円
所得税+住民税 4,300,000円
〈iDeCoあり〉
所得税 (10,000,000円−816,000円)×33%=3,030,720円
住民税 (10,000,000円−816,000円)×10%=918,400円
所得税+住民税 3,949,120円
4,300,000円−3,949,120円=350,880円
結論:年間816,000円積み立てた事により、350,880円節税ができた
運用で得た定期預金利息や投資信託運用益が「非課税」になる
本来であれば運用益に対し20%の運用益がかかります。
仮に毎月68,000円を20年、3%の複利運用をされたとします。
すると、積立金額1,632万円に対し総額は2,232万円となります。
運用益は
2,232万円−1,632万円=600万円
600万円の運用益に対する税金は
600万円×20%=120万円
この120万円の税金が『iDeCo』だと0円となります。
受け取るとき「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象となる
こちらはメリットとして大きいですが、各人の受け取り方や退職金によって大きく変わってきます。
説明しだすと更に長くなるのでまたの機会に説明します。
デメリット
受取り開始年齢になるまで使うことができない
『iDeCo』の場合基本的に受取り開始年齢になるまで積み立てたものを引き出す事ができません。
税制的にメリットが大きいからと言って全てを『iDeCo』で運用をするといざという時困るという事にならない様に無理のない範囲で積立を行いましょう!
運用状況によって資産が増減する
元本が保証された定期預金を選ぶ事は出来ますが、それではなかなか資産を増やせないのが現実です。
iDeCoで運用の中心となってくるのは、やはり投資信託となります。
ただ、定期預金以上の運用益を期待できる反面、相場環境によっては逆に資産が減ってしまう場合もあります。
しかし、個人的に15年以上積立を行うのであれば絶対ではありませんが、元本を損なう可能性は少ないのかなと思います。
各種手数料がかかる
iDeCoには申込窓口となる金融機関のみだけでなく、国民年金基金連合会と事務委託先金融機関も関わっており、①加入時・移換時手数料、②口座管理手数料、③給付事務手数料、④還付事務手数料がかかってきます。
また、投資信託を選んだ場合は信託報酬も発生します。
つみたてNISAのメリット、デメリット
メリット
運用益が「非課税」になる
こちらは『iDeCo』と重複するので割愛させてもらいます。
少額から始められる
金融機関によって異なりますが、積立金額を少額から始められます。
毎月1,000円、1万円など、生活に負担をかけない範囲で長期的に資産形成を目指すことができます。
なお、僕の勤務先では1,000円から積み立てが可能です。
厳選された商品に投資ができる
『つみたてNISA』で購入することができるのは、金融庁が「長期」「積立」「分散」の投資に適していると判断した金融商品(投資信託・ETF)のみです。
価額変動リスクなどはありますが、厳選された商品から選ぶことができる為、投資初心者が始めるには最適な投資方法といえるでしょう。
デメリット
所得控除がない
『iDeCo』と異なり所得控除はありません。
投資できる商品が限られている
前述の通り『つみたてNISA』で購入できるのは、金融庁の厳しい条件をクリアした投資信託・ETFのみです。
個別株などで積み立てをしたいなどの希望がある場合は『一般NISA』で積み立てをしていただく必要があります。
損した時に税制上のメリットを受けられない
『つみたてNISA』でもし損失が出た場合、通常の投資では認められている損益通算(※1)、繰越控除(※2)を使う事ができません。
こちらは『一般NISA』でも同じ扱いとなっています。
※1 損益通算
他の運用益と相殺することをいいます。
〈例〉商品Aで100万円の運用益が出たとします。一方同時に投資を行っていた商品Bで100万円の損失が出たと仮定します。その場合、通常であればその100万円は相殺され、得た運用利益はゼロ円という扱いです。
NISA口座の場合は、100万円の損失が出ている商品BがNISA口座ならば、商品Aの運用益100万円はそのまま計上されてしまいます。
そのため、実際には100万円の利益を得ていないのにも関わらず、100万円に対しての税金がかかることとなります。
※2 繰越控除
通常の投資であれば、損失を3年間繰り越すことができます。そのため、翌年100万円の利益が出た場合であっても、前年の100万円の損失と相殺して利益をゼロに計上することができます。
どちらを選べば良いのか
悩みますよね。
分かります。
個人的には初めて資産運用を始めるのであれば『つみたてNISA』をおすすめしています。
『つみたてNISA』の場合は中途解約が可能ですので自由度が高いからです。
積み立てを始めてみて万が一自分には合わないと思った場合すぐ解約することもできますからね。
また、信託報酬などの手数料関係も安い為投資初心者でもメリットを感じていただけるのが早いのではないかなと思っています。
(『iDeCo』の様に解約ができない場合逆に諦めがついて積み立て続けられるという考え方もできるかも知れませんが。投資初心者に多いのは相場が悪くなって居ても立っても居られず解約してしまうと言うのが最悪のパターンなので。。。)
『つみたてNISA』で積み立てのメリットを感じられる様になったら『iDeCo』を始めてみるのが良いでしょう。
まとめ
『iDeCo』と『つみたてNISA』は併用することができます。
むやみに併用するのではなく、家計の状況や目的を考えて、自分に合った方法で積み立てをしていきましょう。
「みんなやってるから」「お得そうだから」という理由でなんとなく選んでしまうと、あとで後悔することもあるかも知れません。
ご自身の家計と収入状況を考えて無理のない範囲で始めていきましょう。
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